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ウッドピースシリーズの遮音性について

2020年9月28日

ウッドピースシリーズ(金属屋根)の遮音性を、他素材の屋根材と比較検証した試験結果は以下の通りです。

試験の目的

寒冷地エリアでは、他素材屋根の止水性・凍害の問題から金属屋根の採用率が高く、雨音に対しての抵抗はさほどありません。しかし、関東以西の一般地エリアでは、金属はうるさいというイメージがあることから、瓦・スレート屋根を採用されるお客様が多いのが実情です。
そこで、他素材屋根との雨音比較を行い、ご採用に影響するほどの違いがあるのか把握するために試験を実施しました。
※試験結果の数値はあくまで参考データで、保証値ではありません。

降雨装置図

  • 上図のように一定の距離に騒音計を設置し、屋外・室内のデータを測定する。
  • 降雨装置は雨量を変えることができ、今回は100mm/hr、50mm/hr、25mm/hrの3パターンで試験を行った。
  • 各屋根材の割付は、条件を揃える為芯割で取り付けた。
  • 各屋根材のケラバ、棟の納まりは雨音に影響が出ないよう役物やエプトシーラーなどで対応した。
試験結果
等価騒音表(dB) 屋外 室内
屋根材\降雨量 100mm/hr 50mm/hr 25mm/hr 100mm/hr 50mm/hr 25mm/hr
ウッドピース 68.1 61.8 59.3 51.5 44.8 42.3
ウッドピース(制振材付) 64.5 58.3 55.6 47.4 39.5 37.4
AT横葺 68.5 65.2 61.4 54.5 50.8 47.1
化粧スレート 59 52.6 51.7 46.7 40.3 38.7
BU材付き横葺 65.4 58.9 56.8 50 42.6 38.9
平板瓦 59.1 52.9 51 43 35.5 32.8

※制振材=ゴム系の素材で出来ており、屋根材の裏面に貼り振動を抑え雨音を軽減するもの
※AT横葺=金属製長尺横葺
※BU材=バックアップ材(防音・断熱効果を高めるため、屋根材の裏面に施す発泡スチロールなど)

参考:ウッドピースに施した制振材「ハヤダンパー」
1)特長
  • 屋根材に当たる音を軽減出来ます。
  • 離型紙を剥がしてワンタッチで簡単に屋根材裏面へ貼付けが出来ます。
  • 耐熱性・耐久性に優れ、長期間の使用にも安心です。
2)構成

3) 結果(屋外)

  1. ウッドピースとAT横葺は屋根材の裏面に何も施されていないが、四方がハゼ組みされエンボスもあるウッドピースの方が雨音を軽減している。
  2. ウッドピースに制振材を施すことにより、BU材付き横葺と同等の防音効果が得られている。
  3. 平板瓦・スレートついては、騒音レベルは低いが特に平板瓦は表面が固く平面形状だからか、雨を弾く音(ピチャピチャ)が気になった。
    ※下の試験動画をご覧ください。(YouTube)

3) 結果(屋内)

  1. AT横葺は高止まりしているが、その他の金属屋根は野外の結果に比べ、平板瓦・スレートの騒音レベルに近づいている。
  2. 近づいている理由は、平板瓦以外は屋根材の厚みに極端な違いがないため、野地板への振動もさほど差が無いからと思われる。
  3. ウッドピースに制振材を施すことにより、BU材付き横葺より騒音レベルは下がり、化粧スレートと比べても騒音を下回る好結果が得られた。
まとめ

室内に於いてのウッドピースは他素材屋根と騒音の差が狭まっており、音を原因とするご採用への影響は微小ではないかと捉えています。ただし、少しでも気になさる方へは制振材付のウッドピース(受注生産品)の採用をご検討頂ければと存じます。